トライ式高等学院オフィシャルブログ
宮城 仙台校ブログ記事
2015年6月24日
仙台校ブログ
不規則動詞「go」
仙台校の菊谷です。早速ですが、みなさんは「不規則動詞をひとつ答えて下さい」と訊かれたら一体どんな単語を思い浮かべますか?人によってさまざまだと思いますが、やっぱり一番身近なものは「go-went-gone」と変化する「go」ではないでしょうか。基本中の基本の動詞ですが、三つの変化のなかで「went」のかたちだけはちょっと浮いていますよね。不規則動詞の変化はいくつかのパターンに分かれますが、尻尾が同じかたちをした「buy-bought-bought」や「catch-caught-caught」もあたまの部分は共通しています。一方、別の不規則動詞のなかまに目を向けてみれば、「went」と同じく語尾に「-t」があらわれる「send-sent-sent」や「lend-lent-lent」という変化があり、「wend-went-went」という変化する動詞があったら、むしろしっくりくるのに、と考えてしまいます。
「go」と「wend」
ここまでくると、もうすでに「wend」という単語があるのか辞書を引いている人もいるかもしれません。そうです、かつては「wend-went-went」と変化した「wend(ぐるりと向かう、徘徊する、赴く)」という単語がありました(現在は規則変化)。種明かしをすれば、この「wend」の過去形「went」を「go」の過去形としてちゃっかり借用したのです。過去には「go」から作られた「gaid」や「gaed」という過去形も存在したのですが、残念ながらあまり人気が出ず廃れてしまいました。「wend」そのものも、現在のわれわれからすれば親しみがあるとはちょっと言い難いですよね。
「wander」の由来
それでは「wend」はその意味と共にわれわれの身近なところから消えてしまったのでしょうか?ところが意外に身近なところにいるのです。動詞「wander(ぶらぶら歩き回る、考えを思いめぐらす)」は「wand(=wend)」に反復をあらわす接尾辞「-er」をくっつけてできたかたちです。「flicker(はためく、明滅する)」や「waver(震える、ちらつく)」も「wander」と同じようにできた動詞と考えられています。
このように、あたりまえだと思っている動詞でも意外な出自があったりします。面白いですね。次回は、こうした知識が意外に受験英語に役立つ例を取り上げたいと思います。