トライ式高等学院 横川キャンパスの松田です。
本日実施予定の卒業式ですが、昨今の情勢により、キャンパスでお渡ししました。
参加した生徒は少なかったですが、卒業する3年生、一人一人との思い出があふれ出し、涙をとめることができませんでした。
どの卒業生も、今日という日までの道のりは容易ではありませんでした。
これまで頑張ってきた自分を褒め、そしてこれから進むエネルギーとしてほしいと思います。
みなさんの未来が輝かしいものとなりますように、心から応援しています!
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以下 広島の会場で生徒が読むはずだった答辞です。※一部省略もあります。
(答辞)
本日は私達、卒業生のために、このような心のこもった会を実施していただき、まことに有難うございます。
皆さんと共に迎えるこの卒業の日が、改めて、これまでの自分の人生を振り返る機会となりました。
今、私は、たくさんの友人に恵まれ、無事に大学の進学が決まり、残された時間で勉強を続けたり、アルバイトを頑張ったりと、とても充実した日々を過ごすことができています。今の私があるのは、家族の助けや、トライという環境があったからこそであり、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
しかし、昔からこのような生活を送れていたわけではありませんでした。
中学入学後、私は1ヶ月で学校を休みだし徐々に行かなくなってしまいました。当時は、なぜ学校に行きたくないのか分かりませんでしたが、今考えると完璧主義な性格により、思い通りにいかない生活を認めたくないがための逃げだったのではないかと思います。不登校になってからは、ほとんど外に出ることなく家に引きこもり、昼夜逆転の生活を送っていました。その間毎日、「このままじゃだめだ、学校に行かないと。」という気持ちとは裏腹に、学校のことを考えれば考えるほど気持ちが悪くなっていました。他にも、登下校する中学生の声が聞こえたり、家にある学校の制服を見たりするだけで辛かったことを今でも覚えています。
そんな生活から約1年が経ち、「2年生からは少しずつでも学校に復帰してほしい」と考える母が塾を探してくれました。初めて向かったトライの面談では、逃げてきた現実と向き合う恐怖感から教室に入ることができず、入り口の手前で母と20分間何もできずに立ち尽くしていました。しかし、「このチャンスを逃したら私は一生この生活のままだ。変わらないと。」と勇気を振り絞ってトライに足を踏み入れました。この20分間は、私の人生の大きな転機となりました。当時、個別教室の教室長さんはとても理解のある方で、この人がいるなら大丈夫だなと感じ、トライに通うことを決めました。初めのうちは週に一回の授業も辛く、毎週泣きながら母と一緒にトライに向かっていましたが、それでも以前より家から出る機会が増え徐々に自分が変わりつつあることを実感できるようになりました。気持ちが少しずつ軽くなっていきました。
その後、新しい生活やトライの環境にも慣れ、定期的に授業に行けるようになってきた頃、教室長さんの紹介でトライ式高等学院の存在を知り、中学3年生の夏に中等部に入学しました。当時中等部の生徒は私だけで、友人を作ることができるのかなど不安を感じていましたが、たくさんの方が気にかけてくださり高等学院にも馴染むことができました。初めて参加したイベントは当時のキャンパス長が声をかけてくれたのがきっかけでした。不安に感じていた私を気遣い、授業の担当だった先生が一緒に付いてきて下さったこともあり、楽しむことができました。
その後、身体も心も安定していき、授業数を増やしたり先輩と話をしたりするなど、トライでの生活を通して本来の明るい性格を取り戻していき、今までずっと負い目に感じていた自分にも自信を持てるようになっていきました。
中等部から高等学院に進学してからはアルバイトを始めたり、イベントやオープンキャンパスなどの行事にも自ら参加したりするようになりました。中でも修学旅行への参加は、昔の私では考えられなかったことです。元々外泊への苦手意識が強く不安を感じていた修学旅行でしたが、そこで出会った人々との様々な経験は私にとってとても良い思い出です。
3年生にあがり、進路を決めるにあたり悩んで体調を崩した時期もありました。その間授業に行けなかったり、アルバイトを辞めたりもしましたが、トライの先生や、トライで出会った友人の助けもあり大学進学という目標を持つことができました。その目標に向け自分と向き合い受験勉強に取り組み、無事大学に合格することができました。
12月に行われた同じ大学の入学予定者の交流会では、自ら発言したり動いたりすることができたと思います。トライでの経験が自分を大きく成長させてくれたことを実感し、これが新生活へ自信に繋がる機会となりました。
このように、充実した今があるのは変わろうと覚悟し、考え、行動を起こしてきた自分と、それを受け入れサポートしてくれたトライがあったからこそだと思います。
トライでの生活を通して、学校に行けなくなった原因でもある完璧主義な性格とも、うまく付き合っていけるようになりました。
今の私があるのは、これまで本当に多くの方々に助けてもらったからであり、皆さんには本当に感謝しています。
当時の教室長さん。彼女は私の人生が変わるきっかけとなった人です。「変わりたい。」この一心で、覚悟を決め初めてトライに足を踏み入れた時、笑顔で迎え入れてくれました。当時の状況、気持ち、全てを受け入れてくれ、母も私も一気に心が軽くなったことを今でも鮮明に覚えています。今は違う教室で教室長をされていますが、今でも私のことを気にかけてくれ、相談に乗ってくださり、私の心の支えになっています。どんな時でも、私を否定するようなことは言わず、優しい笑顔で応援してくれたこと、感謝しています。
お父さん。私が学校に行かず引きこもっていた時、どう思われているのかが怖くお父さんと顔を合わせないように距離を置いていた時期もありました。それにより、私が何に悩んでいるのか、どうしたいのか分からずたくさん悩ませ、迷惑をかけたことでしょう。しかし、不器用ながらも私がしたいことを尊重し、応援してくれていることを知っています。そして、お父さんに褒められたり、励まされたりすることは他の何よりも嬉しく思い、励みになっています。家族のために、弱音を吐くことなく朝早くから夜遅くまで働いてくれているお父さんを心から尊敬し、感謝しています。
お母さん。今まで誰よりも悩ませ、本当に辛い思いをさせたと思います。普段滅多に泣かないお母さんを毎日のように泣かせてしまいました。それでもいつも私のそばに寄り添ってくれ「あなたはお母さんの自慢の娘やで。」「何があっても和なら大丈夫やって信じているし、お母さんは今までもこれからも、ずっと味方やで。」と私の手を取って笑顔で何度も言ってくれたこと、忘れません。
そっとテーブルに置いてあったお母さんからの2通の手紙は私の宝物です。今でも何かに悩み辛くなった時、その手紙を読んで励まされています。どんな時でも私を信じ続け、支えてくれたこと本当に感謝しています。将来はお母さんのような人になりたいです。
そして、在校生の皆さん、先程は素晴らしい祝辞をありがとうございました。皆さんは色々なことを考えながら学校生活を送っていることと思います。私の経験を通して皆さんに言えることは、良くも悪くも自分次第だということです。ぜひ、やりたいことが見つかった時、一度自分自身で考え行動に移してみてください。最初は勇気のいることだと思いますが、トライはそれを受け入れ、応援してくれるはずです。そして、毎日を大切に、目標に向かって全力で進んでいってほしいと思います。卒業まではあっという間です。悔いのない高校生活を過ごせるように願っています。
卒業生のみんな、トライに入学した当初はそれぞれ悩みを抱え、不安を感じていたことでしょう。そんな中無事、一緒に卒業を迎えられたことを本当に嬉しく思います。今まで支えてもらった方々への感謝と、トライでの生活を通して学んだことを胸に、これから、それぞれの道へ進んでいきましょう。
最後になりましたが、私たちを支えてくださった全ての方々にお礼を申し上げるとともに、トライ式高等学院のさらなる発展を願って答辞の言葉とさせていただきます。
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